「モンテッソーリ教育」の最終目標とは?
「モンテッソーリ教育」という名前は20年くらい前にくらべたら一般的に知られるようになってきました。
オバマ大統領、マイクロソフト創始者のビルゲイツ、Amazonの創業者のジェフ・ベゾス、ハーバード大学在学中にFacebookを作り上げたマーク・ザッカーバーグ、Googleを共同開発したラリーページ、セルゲイブリンら、いわゆるGAFAと呼ばれる巨大企業の創始者ら、また日本では最年少でプロになった藤井聡太棋士がモンテッソーリ教育を受けていたことで有名です。
そういったことから、「モンテッソーリ教育」は”お勉強が出来る子ども”を育てるためのものなの?と思われがちですが、そうではありません。
”自分で考え行動し、人類の平和のために社会に貢献できる子どもをつくる”ことを最終目標としています。
いわゆる”お勉強”というものは、知性の一側面ではありますが、ここだけを伸ばそうとすると、発達にとても偏りができてしまいます。
なぜなら、発達というものは五感を通して、まんべんなく成長していくのが望ましいからです。
モンテッソーリ教育は、この”五感”をバランスよく育てていきます。
モンテッソーリ教育では敏感期を大切にします
では五感を育てるってどういうことでしょう?
モンテッソーリの大きな発見の一つに、”敏感期”というものがあります。
敏感期には、秩序の敏感期、数の敏感期、文字の敏感期・・・などがあります。
例えば秩序の敏感期の中にいる子どもは、ものの並ぶ順番が気になったり、いつもと同じ順番で物事が進むと安心したりします。
敏感期は幼児のある時期にだけ現れます。
現れるタイミングは子どもによってそれぞれ異なります。
ですので、当園のモンテッソーリ教師は子どもの様子をよく観察し、今その子が何に興味をもっているのか、何の敏感期にいるのか、的確に把握するよう努めています。
その子にぴったりな教具(例えば秩序の敏感期にいる子どもだと、ものを大きい順から並べていくお仕事など)でお仕事を提供すると、ものすごい集中力を発揮し、飽きずに何回も何回もしようとします。
教師は、その子が満足するまで繰り返しお仕事をさせてあげます。
子どもが「やりたい!」と思ったお仕事をやりたいだけやらせてあげることが大事なのです。
夢中になることが自立をうながす
子どもは夢中になって集中してお仕事をやり遂げると、達成感と満足感で、なんともいえない自信に満ちた表情になります。
そして、「もっとやりたい!」「もっと知りたい!」と、好奇心や探求心がふくらみ、色々なお仕事に挑戦します。
色々なお仕事を経験すると、心身が満たされ、統合発達していきます。
そうするとどんどん身の回りのことが自分でできるようになり、ますます自立が進みます。
「あれもできた!」「これもできた!」という体験が積み重なってゆき、更に自信がついてきます。
夢中になる→達成感と満足感で自信がつく→好奇心・探求心がふくらむ→色んなことに挑戦しできるようになる→自信がつく・・・と、成長のサイクルが進みます。
このようにして自分に自信がつくと、周りのお友達にも優しくできるようになっていきます。
また、家庭や幼稚園でお手伝いを進んでやるようになります。
そうすると、周りから認められ、感謝されることでますます自信がついていきます。
そして、他者のために社会のために役に立つ人になりたいという意識が芽生え、社会性や道徳面でも発達していくのです。
このようにモンテッソーリ教育を実践すると自然と”幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿”に近づいていきます。
もちろんですが、子どもが集中して取り組むには、まず子どもが安心して過ごせる場を用意することが大切です。
当園は、子どもたちが安心して活動できるよう、少人数で目の行き届いた環境となっています。
子どもの様子をみて、「今どんなことに興味をもっているか?」考えながらお仕事を提供しています。
先述しましたが、無理やりやらせることは一切いたしません。
本人のやりたい気持ちを一番大事にしています。
これも、安心して過ごせる場づくりに必要なことだと考えています。